[ 06. かくれんぼ ]




 もう いいかい

 まぁ だだよ


 長閑な昼下がりに耳に届くのは、子供達のかくれんぼの合言葉。
「ルックは」
 名を呼ぶと、ホールの入口付近をじっと見ていた彼の視線が僕に向けられて。それに続く言葉を、視線だけで促される。
 相変わらずの綺麗な翡翠は、何度見ても見惚れないでいられない。
「ルックはしたこと、ある?」
 かくれんぼ、と言うと僅かに眉根が寄る。
「そんなの、ある訳ないだろ」
 返ってきた答えは想像したまま。
「今度、しようか?」
「やだよ、なんで僕がそんな子供の遊び」
 どこか憤然とした翡翠で睨まれた。
「楽しいよ?」
「子供に混じってなんて、冗談じゃない」
「だったら、ふたりでやる?」
「………しないって言ってる」
 あんた人の事、何処に居ようといつも見つけるんだから。
「無駄じゃないか」
 あぁ、そうか。
「そうだね。そんな事してるより、傍に居る方がいいよね」
 微笑んで言えば、ルックは照れ隠しかはたまた本音か。
「バッカじゃないの」 と、いつもの様にのたまってくれて。


 みーつけた


 どこかで、甲高い声が響いていた。



2004.02.18



 難しかった……。ルックは、かくれんぼなんてしてないだろうし。坊さまも…テッドと会ってから、悪戯して隠れた!っていうのが、かくれんぼの初体験って感じで。
 どっちも子供っぽい遊びとは縁なかったんだろうな〜とか。



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