[ 07. 境界線 ]




 優しく他を拒絶する黒曜石の瞳。
 それが、違う事無く己に向けられて……そうして、和やかに細められるのを目にし。
 そうと知らぬ間に、捕らえられる。

 そのあやふやな存在は、どこまでも深く深く、この身の内に。
 その領域をも超えて穿たれる。


 何故、だとか。
 何時から、だとか。
 そもそも…どうしてあんたじゃなきゃ駄目なのか、とか。
 それすらも解らないのに。




 いっそ。
 互いを阻む肉など要らないと。
 無くなってしまえばいいのに……と。
 浅はかな思いまでが、湧き立つ。

「……ルック」

 名を呼ばれ、視界を焼かれ、触れられて。
 そうして―――溶かされる。

 それは、己と他の境界線が、酷く曖昧になる……瞬間。



2004.02.20



 意味深といえば意味深な(笑)? このお題だと、「踏み込まないで」or「混ざり合う」かどちらかだと思う…けど。そもそも、今回は絶対エロくなるぞ♪と萌えたのに!
 …………エロへの道は深く険しい。



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