還る場処 後日談 そんなこんなで、無事(?)にグレッグミンスターの実家に帰り着いたのは、新しい年を越えた7日後だった。 帰る早々、グレミオに両手を掴まれ、 「流石は坊ちゃん! お眼が高いですよ!」 等と訳の分からない台詞で迎えられた。 「はっ?」 疑問符だらけの頭の中を知ってか知らずか、 「ルック君なら、坊ちゃんをお任せしてもグレミオ安心できます!」 やけに力一杯頷かれる。 「……グレミオ?」 何でそんなにテンション高いの? ………っていうか。 「ルックに任せれば、って…………何?」 「勿論、坊ちゃんのことですよ! あの雪山から救い出してくれるなんて……流石はルック君ですね!」 いや、確かにそうなんだけど……? 「何でそんなに興奮してるんだ?」 「グレミオ、生きてる間に坊ちゃんの運命の相手をちゃんと確認出来たことが嬉しいんです!」 運命の相手……って、グレミオ(苦笑)。そんなことを、ルックの前で言ったら即切り裂かれるよ? 照れ隠しに、紋章ぶっ放すの得意(?)なんだから。 「さてさて、式は何時にしますか?」 ―――はっ? 「式……って何の?」 恐る恐る尋ねると、 「結婚式に決まってるじゃないですか!」 もの凄い勢いで言われた。 「……グレミオ?」 もしもし? 「ルック君なら、流石に胸はないですが、白いドレスでも似合うでしょうね。坊ちゃんの方は白いタキシードなんてどうですか?」 それは……ルックなら何着ても似合うと思うけど…………って、違う(汗)。 「あのね! グレミオ!?」 「あっ、坊ちゃんがドレス着ますか?」 「着ないよ!」 何でそうなる? 相変わらずの思い込みの激しさに、脱力してしまう。 「では、グレミオ、これからルック君の所に行って、採寸して来ます」 「…………………行っておいで…」 疲れて何も言い返せないよ。 どうせ、峠への道は雪で覆われているから、通行止めだし。 あの辺りまで行けば、頭が冷えて丁度いいかもね。 ...... END
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