坊 * リン・マクドール / 2主 * ライト |
当たって砕けろ!三振もめげずに☆
嫌な予感はしていたんだ。 こんな風にわざとらしく雨が降っていて、わざとらしく下駄の鼻緒が切れて、 黒猫がよぎった日には・・・・・ 「マクドール様に電報です!魔法兵団長ルックの殿が病に伏し、完全隔離状態、 すぐに城に来てくださいとのことです!」 「分かった・・・・・」 ルックが病?完全隔離?俺に来て欲しいと言う事はそんなに酷いんだろう。 雨の中外装を纏い、足早に歩く。 只一人の事を思いながら・・・・・ 城に着くと確かにホールに彼の姿は無かった。 俺を見つけたライトが駆け寄ってくる。 「リンさん!」 「ライト・・・・・ルックは・・そんなに酷いのか・・・・・?」 「え・・・・・・ええ・・・・・・今は僕の自室に居ます。すぐに着ていただけますね?」 「ああ」 エレベーターに乗って、四階に行く。いつも居るはずの護衛の兵士も居なく、広い自室は しんとしていなくてはいけないはずだった。 「あっはははははははははははははは」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「っはーはははははははははは」 「・・・・・・・・・・・・もしかしなくても・・・・・・」 「ルックです」 「帰る」 「っあー待ってください!」 「嫌だ!ルックのイメージが壊れないうちに帰るんだぁぁぁぁぁぁ!」 「何処のだだっこですか!早く入ってください!」 やっぱり厄日だった・・・・・ 「で、何でこんなになったの」 ルックは笑いつづけていた。 あのルックとは思えないくらいに。ひたすらに、只。確かに珍しい、が恐い。 何せ目は笑っていないのだから・・・・ 「いや・・・・あのですね・・・・・・・・ナナミの作った料理を・・・・・・・」 「ははははははははは・・・・ははーはははは」 「食べたんだな」 「はい」 彼女の料理を食べたんならこうなってもおかしくない。 むしろおかしくならない方がおかしい。 それにしてもルックもその事を知っているはずなのに何で食べたのか・・・・・ 「ルックは・・・・・無理矢理食べさせられたんです。と言うか無言のナナミの 重圧に耐えられなくて」 「無言の重圧?」 「あーーーはっはははははははっはひーひ・・は、ははは」 「いつもルックはナナミの料理を食べないじゃないですか。だから今日は絶対に!って ナナミが・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・流石薄幸。で、ナナミは?」 「責任取るって・・フッチ達と解毒用の薬草取りに行きました」 「ははははははははははははは」 「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」 今回は完全に見守るって言うか・・・無かった事にしたい。 っていうかしていい?駄目?はーそっか・・・・やっぱ駄目か・・・・現実逃避って・・・・ 甘味なヒ・ビ・キ・v あははははーっと現実逃避に花畑を走っているとライトに引き戻された。 「何してるんですか・・・で、りんさんを呼んだのは頼みがあるんです。僕はちょっと 用事があるんで代わりにルック見ていてください。 それじゃ☆」 「まっ・・・・・・・・・・・・・・・・」 語尾に星まで入れて去っていきやがった・・・・・ っていうかそんなに笑っていたら流石にルックもそろそろ体力が・・・ 特にあんなに笑わない性格だし。 「あ・・・・・・ははははははははははは・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・ルック・・・・・・・・」 「はは・・・・はははははは・・・・・・・は・・・・・・・・・・・・・・」 「ルック?」 やっぱりと言うか・・・・疲れきったルックはそのまま倒れた。 取り合えずライトのベットを借りてルックを寝かせる。 なんだって・・・・こんなことに・・・・・・・・・・・・ それから少したってナナミたちが帰ってきた。 「これこれ!ホウアン先生が言っていた薬草!!」 「あれ、リンさんいらしてたんですね」 「なんだ、ルック寝てんのか」 ナナミ、フッチ、サスケの順に入ってくる。 ナナミの手にはしっかりと薬草と思われるものを握っていた。 「あーさっき笑いつかれてやっと・・寝た」 「あーそれにしても・・・爆笑するルック君って・・恐いですよね」 「特にあの顔がな」 「・・・・・・否定できないな」 普段もうちょっと笑ったらとかは言う。言うが・・・あそこまでだと・・・ ちょっと・・・・恐い。なんていうか・・・・阿修羅の如しに・・・・ 「後はこれを煎じて飲むだけだって。私やって・・・・」 「俺がやるから、ナナミちゃんとかは疲れてるだろ?風呂にでも入ってきなよ」 「えー!・・・・・分かりました!じゃあ、ルック君宜しく!!」 「じゃあ、僕達も・・・・・・」 「何言ってんの」 「え?」 「『笑ってる』ルックにこれ飲ますんだよ?手伝うよね?」 「「・・・・・・・・・・・・・・」」 「返事は?」 「「はい・・・・」」 ナナミちゃんは・・煎じるのにも色々ありそうだから風呂という口実で 居なくなってもらっただけで、笑っているルックに飲ますという労働はフッチとサスケ に手伝ってもらわないと(爽笑) なんだかんだで結局夕方までかかったけれど。 「いや〜でも爆笑するルックっていう珍しいものが今日は見れた」 「・・・・・・・・五月蝿いよ」 何とか飲ませて笑いの収まったルックはそのまま(再び)眠って、さっき起きてきた。 少し外に出ようと屋上に来て空を見ながら、ルックの笑い声を思い出して、今なら笑える。 「ぷ・・・・・・・・ククク」 「・・・・何笑ってんの・・・・気持ち悪い・・・・・・」 「いや、だってさー爆笑するルックなんて・・・・・そうそう見れないよ?」 「・・・・・・・・・もういいよ」 「いやいや、一つ分かったから今日も無駄じゃなかったし」 「なにが」 「ルックは爆笑すると恐い」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「微笑(ビショウ)とか微笑(ホホエミ)なら綺麗なんだけどなー・・・」 「それどっちも意味変わんないよ」 「いや、微妙に違う」 「はいはい」 「さーて・・・今日の働き代は?」 「デュナン湖に石と一緒にダイビング経験」 「遠慮します」 「ハリセンで世界一周」 「いや・・・・それって・・・・・・・・」 「問答無用」 何処からか出たハリセンではたかれる。 あーーー景色が進むのが早いなー・・・本当に世界一周するかも・・・・・ っていうか風の紋章使ってるし・・・これだと本当に一周するよ・・・・ 合掌 |
神月蝶さまより
神月蝶さんのサイト(閉鎖)で1000を踏んでいただきました! キリリク内容が、”爆笑するルック”って辺りでいい加減呆れられそうですのに、お引き受けくださった上にこんな素敵な作品にして頂きました! テンポ良くて、メチャ爆笑してしまいましたvv 神月さん、ムチャなリクに答えて下って……本当に有難うございました(深々)。 |