例えば こんなふたり − 1 風に浚われる淡い茶色の髪は、日を弾いて金を帯び。 すらりとした華奢な立ち姿は、あまりにも儚くて。 そして、深い翡翠の瞳は、その内の強い意志を窺い見せる。 この世のものとは思えぬくらいに、彼は綺麗。 かつてこれ程に、視線を心を捕らえたモノがあっただろうか。 「好きなんだ」 決死の覚悟でそう、告げる。 自分を見つめる翡翠が微かに眇められたのを見て、ひとつ鼓動が跳ねる。 「……好き、なんだ」 再び、告げる。 ただ、知って欲しいと思ったから。 「………僕は―――」 開かれる唇の桜色が、あまりにも柔らかで。 触れたい……と、微かな衝動を覚えた。 「………………………僕は、 」 …… to be continue
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