コトの始め 2






 これはもう運命だ! と思ったな―――実際。
 こんな寂れた島で、それもこんな小さくて儚げな美少女に逢えるなんて、これを運命と言わずに、何を運命って言う? ってな感じだ。
「おっ! 可愛い〜」
 思わず正直な感想が口から出たのと同時に、何やら、訳の分からない魔獣を差し向けられた。過激な美少女だな。
 しか〜し! それさえこの子の照れ隠しとしか思えない。
 だって、こんな弱っちい魔物、この俺様に掛かれば一捻りだし?
 ザクザクいっちゃうだろ、美少女見てるしな!
 って、パーン、見せ場とっとくのがこの場合当然だろ! 相変わらず、物知らねー奴だな!! 
「あっ、――悪ィ」
 頭に来たから、魔獣に振り落とすつもりで構えてた棍をそのままパーンの後頭部に落としてやった。
「坊ちゃん〜〜〜〜(泣)」
 そのまま後頭部を押さえて座り込んだパーンに
「手ぇ滑ったんだよ」 と言うと、周囲から胡散臭そうな視線が向けられた。
「絶対わざとですね」
「……坊ちゃん、」
「大概にしろよ、シラン」
 解ってんなら、俺の見せ場くらいちゃんと取っとけよ。従者としてそのくらいの気遣いは当たり前だ。
 それに、いつまでもそんなとこ座り込んで頭抱えてんじゃねーよ、パーンも。
 俺が相当酷いことやったみたいに見えるだろ。ちゃんと、力3割減で手加減してやったんだから、有り難がれよ。
 おっと、こいつのことなんか今は放っといて―――美少女、美少女♪
「―――きっ、」
「おいおいっ、久しぶりだな〜」
 声を掛けようとした刹那、隣のテッドが何やら親しそうにその美少女に話し掛けるのに驚いて、俺様としたことが唖然としてしまった。
「…………そっちもね」
 つっけんどんに返されながらも、テッドは 「相変わらずだな〜」 と大口を開けて笑う。

 おい! ―――ちょーっと待て!








...... 気が向けば、続く
2002.02.06

 こんな坊が居ていいものかどうか……。
 テッドとルックは知り合いだったのか??
 待て、3―――! …って、書くのか?

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