例えば こんなふたり − 4 「……っ、それっ…イヤッ!!!」 「いててててっ! ル、ルックっ、それ痛いって!」 悲鳴とも絶叫とも取れる叫び声と共に、髪を力一杯引っ張られて、あまりの痛みに行為を中断せざるを得ない。 「ルックっ、痛いって!」 未だに掴まれたままの髪を離してもらおうと、ルックの手に自分の両手を重ねる―――つもりが、髪を引かれ、ぐいっと顔を引き寄せられた。 「〜〜〜っ、痛いよ、ルック!」 数センチしか離れていない場所から、泪で潤んだ翡翠にキッと睨まれる。その顔は真っ赤だったけど、小さな躰は微かに震えていた。 さっきまでの快感に震えていた様とは確実に違う彼の様子に、頭の痛みも忘れてしまう。 「………ルック?」 何か、気付かない内に酷い事したんだろうか。 「…そんな事、しなくていいっ!」 「そんな事、って…」 えっと……さっきまでやってた、アレ? 「でも、慣らさないと痛いのはルックだし」 「それでも、あんなのはっ! 嫌なんだよ!」 「僕だって、ルックを傷付けるのは嫌だよ」 痛みを感じさせずにいられる訳ないとは思うけど。少しでも楽に受け入れられるように、と。 「―――だったらっ、あんたは平気なの?!」 泪目で睨まれ、普段にない大声で怒鳴られて、 「えっ?」 と呆けてしまう。 「あんた自身は、あんなとこ……排泄する場所、舐められたり舌突っ込まれても平気なのかって聞いてるんだよ!」 それは……。 「……………ごめんなさい、もうしません」 確かに想像すらしたくない! …よね。 怒鳴り散らした所為でぜーぜーと息も荒いルックの足許で、深々と頭を下げた。 「……信じられない。……もう………今日はしない」 暴れて疲れた、というルックに 「えぇーーーっ!」 不満の声を上げれば。 「誰の所為なのさ」 と、剣呑さ満点の表情で凄まれて。 「…………仰るとおりです」 最早、そうとしか言えなかった。 因みに明日から4日の予定で遠征。 それはつまり、4日間はお預けになるって事で。 せめて、戻ってくるまでにルックの機嫌が直ってますように…と祈らずには居られなかった。 …… to be continue
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