例えば、こんな話 − 事と次第 17 僕の答えにそれほど気を悪くした風もなく、テッドはじゃーなと手を上げて駆けて行った。恐らく、生徒部会室に戻ったんだろう。 「……疲れた」 溜息と共に肩を落とす。 色々な情報を一気に入れ過ぎて…消化しきれてなくて―――酷く疲弊していた。 それでも、さっさと帰って夕食の準備をしないとならない。 レックナート様に任せると、それこそ帰ってからの夕食の準備の他に、片付け量が5倍増! になるのは確実だ。この状態で、それだけはゴメンこうむりたい。 いつもより重く感じる鞄を手にし、よろよろと靴箱に向かった。 折畳式の傘を開きながら、暗い空としとしと落ちてくる雨に辟易する。 雨自体は嫌いじゃないけど。 登下校中は、流石に濡れたくない。 思考が大概主婦じみてて嫌になるけど、制服厚手だから乾きにくいんだよねというのが本当のところだ。 雨の中へ一歩踏み出して数歩進んだ所で、ふっとそれに気付く。 それがその場に在ったタイミングと、何故かそのまま見過ごす事の出来ない自分に。 「………絶対、馬鹿だ」 本日何度目になるか解らない溜息の数を、再び更新した。 ...... to be continue
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