例えば、こんな話 − 事と次第 17




 僕の答えにそれほど気を悪くした風もなく、テッドはじゃーなと手を上げて駆けて行った。恐らく、生徒部会室に戻ったんだろう。
「……疲れた」
 溜息と共に肩を落とす。
 色々な情報を一気に入れ過ぎて…消化しきれてなくて―――酷く疲弊していた。
 それでも、さっさと帰って夕食の準備をしないとならない。
 レックナート様に任せると、それこそ帰ってからの夕食の準備の他に、片付け量が5倍増! になるのは確実だ。この状態で、それだけはゴメンこうむりたい。
 いつもより重く感じる鞄を手にし、よろよろと靴箱に向かった。

 折畳式の傘を開きながら、暗い空としとしと落ちてくる雨に辟易する。
 雨自体は嫌いじゃないけど。
 登下校中は、流石に濡れたくない。
 思考が大概主婦じみてて嫌になるけど、制服厚手だから乾きにくいんだよねというのが本当のところだ。
 雨の中へ一歩踏み出して数歩進んだ所で、ふっとそれに気付く。
 それがその場に在ったタイミングと、何故かそのまま見過ごす事の出来ない自分に。
「………絶対、馬鹿だ」
 本日何度目になるか解らない溜息の数を、再び更新した。








...... to be continue
2004.10.04

 やたら主婦じみてるルック? つーか、先が見え見えだー(苦笑)。

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